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ツェムリンスキーのオペラ「馬子にも衣装」 を観た。


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3月初旬の話ですが、北ドイツ・シュトラールズンドのフォアポンメルン州立劇場 Theater Vorpommern で、ツェムリンスキー Alexander Zemlinsky のオペラ「馬子にも衣装」 Kleider machen Leuteを観てきました。その日は封切り日だったので、会場は着飾った人たちで(おめかしした子どもも)ほぼ満席。チケットは公演数日前、わずかに残っていた3階席を12ユーロでゲット。舞台までの距離を考慮して直前にオペラグラス(双眼鏡)も購入、完全装備で参りました。

 

ツェムリンスキー(1871-1942)ってあまり馴染みのない作曲家だし、ちょっと予習していこうかと思ったのですが、上演されることが少ない 演目というせいもあってか、ほとんど情報を得られることなく向かうはめに。ユダヤ系だった彼は、ナチスドイツから逃れるため、ウィーン、それにニューヨー クで晩年を過ごしたそうです。で、このオペラがドイツで再演されたのも1982年だったとのこと。ドイツ語が原書の「dtv-Atlas zur Musik 図解音楽事典」(←芸大の西洋音楽史の授業のテキストだった)にも、シェーンベルクが作曲上の刺激を受けた人、という1行ぽっちの紹介のみで残念。でも彼の歩んだ人生を考えると、ドイツで1977年に発行された事典に彼のコーナーが設けられていないのも、仕方がないことなのかもしれません。

 

鑑賞したオペラ「馬子にも衣装」はいろいろツボにはまる部分が多く、音楽も演出も心から堪能。舞台上で繰り広げられるドラマって、主役以外にも脇 を固めている人たちがそれぞれの役目を細部にわたって作りあげているから、本当に芸術だと思う。舞台上で起こっていることは、すべて見渡すことができるの で、テレビドラマなんかで主役にスポットが当たってそこしか見られないのと違って、周りの人が何をやっているのか、舞台ではすべて見られる。はあ、すごい 作業なんだろうなあ、オペラをやるって。とにかく感動体験でした。

 

それにしてもバス・バリトンの Alexandru Constantinescu (主人公の恋敵役)が、二幕で舞台に出現した白いグランドピアノを達者に弾き、歌い始めたのにはびっくりしましたね(通常オーケストラ内のピアノ奏者が担当するパートだと思うのですが)。きけば彼は昔、ピアノ専攻だったそうで、パリ音楽院在学中はアンリ・バルダ氏の門下生だったらしい…プロのオペラ歌手に なって舞台上でピアニストの役もこなしてしまう。恐れ入りました。

 

で、私が今回すごく気に入ったのが、このオペラの告知ハガキとプログラム(1ユーロ)。あまりにも好みなので、動画で紹介しちゃいます。画質悪く てすみませんが、ちょっと見てみてください。写真好きとしては、この Kleider machen Leute (直訳すると「服が人を作る」)というタイトルから想像し得る、写真家たち(アウグスト・ザンダー August Sander や Herlinde Koelbl 等)が、このように取り上げられていることに驚き、嬉しくなる! なにからなにまで、細かい部分まで制作に関わった人たちのセンスの光が感 じられる舞台でした。ブラボー!

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