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ピティナ・ピアノステップ 門真春季を振り返る

 

5月6日、恩師・中田元子先生が代表を務めておられる『ピティナ大阪城ステーション』が実施するピティナ・ピアノステップ 門真春季地区にて、アドバイスとトークコンサートを行いました(写真は事務局より・開催レポートもあわせてご覧ください)。

アドバイザーは武田真理先生、橋場多恵子先生とご一緒させていただき、就学前のお子さんから大人の方まで、71組の参加者の方々の演奏を聴かせていただきました。会場は大阪・門真市民文化会館ルミエールホール。
一人ひとりの演奏に対するコメントを用紙に書き、全体への講評を述べたほか、ランチタイムにトークコンサートも行ないました。朝から晩までびっしり詰まった盛りだくさんのプログラムでしたが、充実の時間でした。

トークコンサートではスカルラッティのソナタを3曲(K.474, K.475, K.427)、リストの巡礼の年第1年『スイス』より『ワレンシュタットの湖畔で』、コンペC級課題曲であるメンデルスゾーンの無言歌集より『信頼』を演奏しました。

講評書きの合間にコンサートとは、初めての体験。これはなかなか大変でした・・・!

ステップ参加者の方々のバックグラウンドは様々で、目的は必ずしもピティナ・ピアノコンペティション(以下コンペ)参加や音大受験のためのリハーサルとは限りません。その辺りも考慮しながら、3分から10数分という短い演奏時間を通して受けた印象、アドバイスをコメント欄に的確に書くよう心がけました。スタンダードな名曲からマニアックな作品、三善メソードに取り組んでおられる方々にいたるまで、色々な演奏・表現を聴くことができとても勉強になりました。

私自身、小学生の頃に何度かコンペにチャレンジしましたが、いつも本選どまりでした。でも『あなた、良い演奏だったわよ』と見知らぬ女性から声をかけられたことが嬉しく、とても励みになったのを未だに覚えています(その後高校1年時にF級の全国決勝大会で銀賞を受賞しました)。ステップでは参加者同士がお互いに感想を書いてやりとりできるシステムがあるので、自分の発表・学習の場として利用するだけでなく、他の方の演奏からヒントを得たり、励まし合う機会として多いに活用していただけたらいいなと思います。

 

毎年夏に開かれる同コンペティションは年々参加者が増えているため、賞や全国大会への切符を手にするにはより狭き門となり、悔しい思いをする参加者の方の数は多いはずです。私もそういう思いをしてきた一人なので、コンクールという場でなかなか成果が出ないと落ち込んだり悩んでいる方には、どうか諦めないで頑張って欲しいと思います。

中田元子先生の門下生として、先生がオーガナイズされるステップに登場させていただくなんて、先生の下でレッスンを受けていた当時は想像もしていませんでした。このような素晴らしい機会を与えてくださった中田先生、関係者の皆様、ありがとうございました!


萬谷衣里