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映画『幸福なラザロ (Lazzaro felice)』を思い出す。

幸福なラザロ

映画「幸福なラザロ (原題:Lazzaro felice/Glücklich wie Lazzaro)」が先週日本で公開されたということを知りました。

昨年9月にドイツで公開されたばかりだったこの映画を、ベルリンはハッケシャー・マルクトの映画館で鑑賞、久しぶりに心に響く良い映画を観たなあ、日本でも公開されるといいなと思っていたのですが、ついに!!

 

ゆっくりと進むストーリーの中には、イタリアの美しい自然をバックに、ドキュメンタリーなのかな?と思わせられるような農家の祝い事のシーンがあったり、素朴な映像と演技が印象的です。同時に人間のずるさや弱さが感じられるエピソードがあり、宗教的な啓示も感じられ、決して「幸福な」だけではない展開が待っています。

 

映画館ではオリジナルのイタリア語を聞きながらドイツ語字幕で鑑賞したのですが、イタリア語は全く分からない私でも字幕を追って理解できたのは、この映画のテンポが非常にゆっくりだったこと、そして主人公ラザロがほとんど喋らないおかげでした(笑)。普通の早さ以上だと字幕を読むのに追いつけていなかったと思います・・・。また機会があればぜひ日本語字幕で観てみたいです。

 

同映画のポスター(棒立ちのラザロを描いた絵)を見たとき、この雰囲気、だれかに似てる・・・と思ったのですが、ルソーの絵に似ていると気がつきました。日本公開版では実写がポスターになっているようですが、ルソー好きなので敢えてこちらを掲載しておきます。

 

萬谷衣里