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映画『君の名前で僕を呼んで (Call Me by Your Name)』を観ました。

4月27日に日本公開予定の映画『Call Me by Your Name(邦題:君の名前で僕を呼んで)』を、飛行機の中で観ることができました。

機内で見られる数ある最新映画の中からこの作品をチョイスしたのは、ベルリンの自宅最寄り駅に貼られていた同映画のポスターの青空の色が印象的でなんとなく覚えていたのと、予告編を見て、主人公らしき少年がピアノを弾いているシーンがあったから。
予告編を最後まで見終わらないうちに本編再生ボタンを押していました。

これは1983年、夏の北イタリアを舞台に、恋に落ちた若い男性ふたりの物語です。

あえてジャンル分けするならば同性愛、ゲイ映画なのですが、個人的には今までに観た恋愛・青春映画の中で最も感動し、そして深く傷心した作品でした。機内のトイレに篭って泣いてしまうくらい・・・。

 

印象的かつ重要な場面の一つに、主人公である17歳のエリオがオリヴァー(24歳の大学院生)にピアノを聴かせるシーンがあります。

バッハの曲を『リスト風』にアレンジして弾いたり、それをもう一度弾いてみてというオリヴァーに『ブゾーニ風』に弾いてみせたり。芸が細かい。

上半身裸で古いベーゼンドルファーピアノの前に座るエリオ。

その恍惚とした表情にはドキッとさせられます。

 

エリオが弾くこの曲、なんだったっけ?と思ってエンドロールを確かめたら、やっぱり。

J.S.バッハのカプリッチョ『最愛の兄の旅立ちに寄せて』変ロ長調 BWV.992 でした。

さすがの選曲というか、この楽曲があってこその映画だなと思わせられました。


そして全編にわたって何度も流れるラヴェルのピアノ曲『洋上の小舟(『鏡』より第3曲)』。その音楽が象徴するかのように、エリオとオリヴァーは夏のイタリアの水辺で距離を縮めていきます。


彼らはお互いを自身の名前で呼び合います。
エリオは、オリヴァーに対して『エリオ』と、
オリヴァーは、エリオに対して『オリヴァー』と。
ここからこの映画のタイトルが来ています。

後半にいくにつれてもうどうしようもない感が漂ってきて切なくなってしまうのですが、夏のイタリアは明るく、田舎町の緑や太陽の光、人々の話すイタリア語の響きなどが、この(R指定の)映画を完全に影のあるものにはしていません。
そして特筆すべきがエリオの両親の対応。
観るものは彼らに救われます。

 

最後に、スフィアン・スティーヴンス Sufjan Stevens というシンガー・ソングライターの楽曲も素晴らしいです。この映画を観た人は、サウンドトラックを聴いてまた何度も涙すること間違いなし(スティーヴンス氏のウェブサイト上で、映画のシーンとともに聴くことができます)。

 

『Call Me by Your Name』、どうやら原作に基づいた続編が作られるとか。

今からとても楽しみです。

 

萬谷衣里


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